確か、小金井公園だったと思います。
土日に、公園で市民イベントがあり、そのイベントアルバイトで
行ったときのことです。
駐車場に入ってくる車両を入れない旨を伝え、他所へ誘導する係りが、
あやまって、出展者の車を遠ざけてしまい、
ブチ切れた出展者が、イベント会社へ詰め寄ってきて
大声で不満をぶつけていました。
10~15分程度でしたが、
恐ろしく長い時間に感じられました。
いいわけもせず、平身低頭していたイベント会社のリーダー。
出展者が遠ざかっていくときに、
彼は、ぼそりと言いました。
「人の怒りは15分程度もあれば、落ち着くから」
しくじったアルバイトを怒ることもなく、
彼は責任者として、自分一身に怒りを受けとめた姿勢を見て、
私は驚きました。
(もしかしたら、イベントの下請け会社の人だったのかもしれません)
でも、「大人ってこうじゃなきゃ」と思った
数少ない人物でした。
わずか2日間のアルバイトでしたが、
20年以上たっても、その時のことが、鮮明に残って
私に大きな影響を与えました。
学校を出てから、
「社会は、理不尽で、暴力にあふれている」と思う日々が多かったですが、
たまに憧れるようなカッコイイ大人もいたのです。
「アンガーマネジメント」という言葉もない時代に、
彼自身が、トラブルなどの実体験の中でもまれ続けて、
編み出した対処方法なのかもしれません。